血糖値スパイクの問題はタイミング
血糖スパイクとは、食後に血糖値が正常値よりもグッと上がった後、急激に下がることを言います。正常な場合、血糖値は食後30分ほどかけてピークに達し、その後緩やかなに下がっていくのに対し、スパイクのある方では、食後30分から2時間くらいがピークとなり、その後急にガクッと下がります(下がらない場合は糖尿病の可能性が高いです)。
この高血糖な状態から急に低血糖になるというのは、体に大きく負担がかかり、自律神経の乱れにもつながります。
【血糖値スパイクの問題点】
糖尿病では血糖値を下げるホルモン(インスリン)が出ないことが問題ですが、血糖値スパイクの場合はインスリンの出るタイミングに問題があります。インスリン自体の分泌はありますが、食後正常な時間にインスリンが分泌されず、そのまま血糖値が高くなり、体はそこで「血糖値が高い、下げなければ」と指令を出し、大量にインスリンを分泌します。
そのため高血糖状態から急に低血糖になるまで血糖値が下がってしまうのです。
インスリンの分泌タイミングがずれる要因
人間の体では、血糖値を上げるホルモンは5種類もあるのに、血糖値を下げるホルモンは1種類しかありません。それが唯一のインスリンというホルモンです。
この数の違いは致命的で、両者は同時にはたらくことができず、血糖値を上げるホルモンが分泌されている間は血糖値を下げるホルモンを分泌できません。ホルモンの数だけでもインスリンははたらきにくいというハンデを追っているのです。
例えば、血糖値を上げるホルモンの中に「アドレナリン」というホルモンがありますが、これは聞いたことがある方も多いと思います。アドレナリンは、自律神経のうち交感神経がはたらいている時に分泌されるホルモンで、体が興奮状態(戦闘・緊張状態)にあるときにたくさん出てきます。つまり、ストレスを感じるときにたくさん出ているということです(インスリンは、体がリラックスしている副交感神経優勢時に分泌されます)。
食事前にストレスを感じ、考え事をしながら食事をしたり、ハラハラするような映像を見ながら食事をするといったことでも交感神経が優勢となり、インスリンの出を悪くしてしまっているのです。
糖質制限の危険性
食事から摂取した「糖分」は、まず胃腸で消化されたのち、腸壁から吸収され血液中に入っていきます。その後、血糖値を下げるホルモン「インスリン」のはたらきにより、各細胞へ吸収されていきます。
食後の血糖値は、「摂取する糖の量」と「糖の吸収速度」により決まります。高血糖の方は、糖質を控えたり、血糖値の上りをゆるやかにするために消化の遅いものを選び食べることもあると思います。
しかし、問題は「インスリンの出るタイミング」なので、量を減らし、吸収速度を遅くしても、それは血糖値の上りが悪いだけで、根本的な血糖値スパイクの改善にはなっていないのです。
むしろ、食べる量を減らしたり、消化の悪いものを食べ続けると胃腸や自律神経のはたらきはさらに悪くなってしまいます。
具体的に、食べる量を減らすとまずお腹が空くと思います。お腹が空くと低血糖に近い状態となり、体は糖分を補うように甘いものを欲します。また、低血糖に近くなると、糖新生といって筋肉のタンパク質などから糖(ブドウ糖)を作り出すため、筋肉がどんどん減っていきます。筋肉が減ることで足腰の痛みが出たり、心筋が衰え血圧が低下したりします。
また、糖新生の際にアドレナリンが出るため、脳が興奮した状態となり動悸や冷や汗、不眠といった症状も出やすくなります。
さらに、消化の遅い糖質は、言い換えれば消化が悪いということです。消化されない、しにくい糖は腸内細菌のエサになりやすく、発酵してお腹の中でガスも増えてしまいます(腸内ガス)。腸内ガスが増えると、腹痛や便秘、下痢などがおこりやすくなります。
また、腸内細菌の発酵ではガスだけでなく乳酸が出ることもあり、血液から吸収された乳酸がブレインフォグや乳酸アシドーシスを引きおこすことにもつながるのです。
改善のための重要ポイント
結局、「では何をすればいい?」という話です。「血糖値を上げないようにする」のではなく、「インスリンの適切な分泌タイミングによりしっかり細胞内に糖(ブドウ糖)を入れていく」ようにすることが大事なのです。
それにより、細胞内に入ったブドウ糖がATPというエネルギーに変換され、活力が高まります。
① 有酸素運動
筋トレなどの激しい負荷のかかるものでは、交感神経がはたらきアドレナリンや成長ホルモンといった血糖値を上げるホルモンが分泌されますが、有酸素運動であれば、副交感神経がはたらきやすくなります。
食事の前に軽い有酸素運動をすることで筋肉内のグリコーゲンが消費された状態になり、この状態で食事をすると、細胞内にはやくブドウ糖を取り込もうとインスリンが早いうちに分泌されるようになります。
運動が難しいという場合は、少し歩くというだけでも十分です。
② リラックスした状態を意識する
食事中は、できるだけリラックスできるようにすると良いです。テレビや動画などを見る際は、刺激の強いものは控え、リラックスできるようなものを鑑賞するのが良いかと思います。
また、当院では高血糖を改善するため、「ディフェンシブフード」という食事療法の指導もしています。実際にディフェンシブフードでHbA1cが11.9から6.0に下がった方もいらっしゃいます。
血糖値でお悩みの方、下記リンクよりぜひお気軽にお問い合わせください。
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