「低気圧で頭痛がつらい...」といった形で、低気圧=痛みや体調不良といったイメージを持っている方も多いと思います。
そこで、気圧の変化に体調がやられないよう対策をしてみるのはいかがでしょうか?
「対策」と言ってもいつもの食事を少し工夫するといったことなので、難しく考えずとも試みることができます。梅雨時期や夏の台風などで頭痛やアレルギー、喘息などが悪化して困っているという方はこちらの記事を参考にぜひ実践してみてください。
気圧とは何か
簡単に言うと、空気がモノなどを押す力のことです。空気にも実は重さがあります。
地球には重力がありますので、重さを持つ空気も上空から下に沈んでいきます。酸素は空気の成分の一つですので、山の上や雲の上というのは酸素が少なく呼吸が苦しいといった高山病の症状が出るのです。
この上空から地上に向かい押し寄せる空気の力がどれだけかかっているかという力の尺度を「大気圧」と呼びます。
私たちの身体も常に空気に押されていて、押す力が強まっている時が「高気圧」、押す力が弱まっている時を「低気圧」と呼びます。
気圧と自律神経の関係
押す力が弱まる方が身体に優しいのでは?と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中活気よく動くために血圧を上げたり血管を拡張させるようにはたらくのが交感神経で、夕方から夜にかけて身体を休息させるために血圧を下げたり体温を下げたりするようはたらくのが副交感神経です。
アドレナリンがどばどば出ている時は交感神経、眠くリラックスしている状態が副交感神経がはたらいているという感じです。
高気圧の時は空気が身体を押す力が強いので体内でも血管などが押され収縮してしまいますが、そうならないように交感神経が血管を拡張させるようにはたらいてくれています。
しかし、低気圧の時は空気が身体を押す力が弱まるため、血管は拡張していきます。そのため、副交感神経が血管を収縮させるように強くはたらくのです。
健常な場合、その気圧の変化を「内耳」という耳の奥にある器官が感じ取り脳に伝達しているため、日中の過度な副交感神経のはたらきを抑えるため、低気圧による体調の変化を感じにくいです。
しかし、その自律神経の切り替えがうまくいかないと、日中も副交感神経が強くはたらいたままで、だるさなどを感じます。
頭痛やめまいもおきやすくなります。
気圧が下がると炎症が悪化する
副交感神経が強くはたらいている時は免疫のはたらきが強まりますので、「炎症」が悪化します。
「炎症」は、アレルギーや○○炎、腸の粘膜、喘息や自己免疫疾患(リウマチ、橋本病、潰瘍性大腸炎、クローン病なども)でみられる病態で、免疫系の過度なはたらきによりおこります。
これらの症状が夜に悪化しやすいのは、夜になると副交感神経が強くはたらくからです。
気圧が下がった時に副交感神経が強くはたらくことで、これらの炎症が強まり、症状が悪化してしまうのです。
例えば喘息では、副交感神経が強くはたらくと気管支が細くなりますので、酸素を十分吸えなくなります。それによって症状が出やすくなります。
喘息の治療薬にアドレナリンとコルチゾールが配合されているのは、交感神経をはたらかせ気管支を拡張させたり免疫反応を抑制させるためです。
うつ病なども脳内炎症との関係が報告されていますので、低気圧で炎症が強まると症状が悪化しやすいと言われています。
また、片頭痛なども炎症に関与しているため気圧が下がると悪化しやすいです。
本来日中にははたらかないはずの副交感神経が強くはたらいてしまう要因は、低気圧だけではありません。
感染症や月経などでは副交感神経が強くはたらき、また腸内ガスがお腹に溜まった状態でも副交感神経は強くはたらいてしまいます。
低気圧でも体調を支える食事
気圧変化に強くなるためには、まず代謝を良くすることが大事です。
代謝は食事から摂った栄養をしっかり栄養として体が使えるようにするということです。
内耳を通して伝わる気圧変化も、伝えるためには神経内を通る神経伝達物質というホルモンが必要になります。
神経も、ホルモンも、タンパク質や脂質から作られますので、タンパク質をしっかり摂るということが大事です。
タンパク質は、ホルモンや神経の原料だけでなく、骨や血管、筋肉、代謝に必要な酵素であったり生理活性物質の原料などにもなっている非常に重要な栄養です。
タンパク質は、肉や魚、卵などの動物性食品に多く含まれています。
特に赤みの多い肉や魚などを積極的に食べるのが好ましいです。
また、タンパク質をしっかり胃腸から吸収させるためにはご飯(白米)も必要になります。ご飯と一緒に食べることでタンパク質の吸収が良くなります。
さらに胃腸の消化吸収力を高めるためには「健全な胃腸」である必要があります。小麦やスナック菓子などを常食していると腸の粘膜がもろくなり、消化吸収の力が弱まってしまいます。
当院では、胃腸機能を高めるディフェンシブフードという食事指導もしていますので、実践を試みたいという方はどうぞお気軽にご連絡ください。
YouTubeでも解説していますので、よろしければご覧ください。